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巧は墓に向かって歩いていた。街の大通りを過ぎ、小高い丘を登ったところに仲間たちの墓がある。
巧はふと足を止めた。
「…」
白い大きな会社が巧の目にとまったからだ。
「あの時、全てはこの会社から始まったんだったな…あれは!?」
巧は真っ白いスーツに身を包んだ大柄な人と、高校生くらいの少年が会社に入っていくのを見た。
スーツの男の背中には『I am 社長』とでかでかと書いてある。
「フッ…社長、変わりないな。あの少年は…雅樹!?
…なわけないか。雅樹は…く…ッ!」
巧は目頭を押さえた。熱いものが溢れそうだった。
「おっと、はやく行かないと…あいつらが待ってる。」
巧は歩き始めた。
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