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一馬と話してたら
向こうから虻川さんが歩いて来る。
何か言われんのかな……
ちょっとビビってたら
「修二……やっと
振っ切れたみたいだな。」
虻川さんが笑顔で
オレの肩を叩いた。
「何かきっかけが
あったんだろ?」
「いや………別に。」
そう言いながらふと…
凛子の顔が浮かんだ。
女とヤッたからなんて
口が裂けても言えね~な…
「まぁ……あれだ。
オレの目に狂いはなかった
……って事だな。
この調子で頑張れよ。」
そう言い残し
虻川さんは稽古場を後にした。
「なぁ修二……
今日はこれで終わりだろ?
メシ食いに行こうぜ。」
「いや~いいわ。
家政婦がメシ作ってっから
また今度な。」
虻川さんに誉められて
調子に乗ってたんだな~。
誰にも言ってなかったのに
つい、凛子の事
言っちまった……。
やべぇ~………!
って思ったらやっぱ
食いついてきやがった。
「なになに~……?
お前ん家、家政婦いんの?
歳いくつ?
かわいい系?
美人系?」
……言うんじゃなかった。
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