哀しみ

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9月6日。 養護施設に入所した日。 その日の夕飯は、おでんだった。 高校二年生の幸司くん、高校三年生のあかりちゃん、小学六年生の正くん、小学四年生のあっくんがいた。そこに中学一年生の私が加わった。 職員わ、とっちゃんという男の人、長谷川先生というおばさん、あかね先生という若い女の人。 私わ、食事が終わると自分の部屋に行った。 六畳で机と棚があった。そして、布団。 私わ一人、泣いた。 今までの人生を思い出して。 これからの人生をおもって。 一人、声を殺して泣いた。 私の生きる意味を考えて。 生かされる意味を考えて。
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