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ぼやぼやと見える目も、
どくどくと身体を流れる血も。
ひんやり冷たい背中も、
少し動く右手の指も。
真ん中で動く、塊も。
生きている。
という、残念な実感。
なんで?という疑問よりも、
死ねなかった、という怒り。
(怒り…?)
そしてそんな、愚かな俺を
誰かが見下ろしている。
「…」
太陽が眩しい。
真っ白な光が目に当たる。
なにか言わなきゃ
何故かそう思って、
口を開こうとしたとき
「目、悪いんですか?」
と、随分間の抜けた声がした。
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