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僕はいま、いちばん上にいる。
このちっぽけな世界の中で、
この平凡過ぎる日常のなかで。
きっとこの時間、今は、
僕はいちばん上にいるんだろう。
「うん、いい風だ、はっはっは」
このちっぽけな世界の、
頂点に立ったような気にさえさせる。
完全に危ない人に浴びせる午後の風は、心地よい。
屋上の、フェンスの手前で
両手を広げる。
空を見上げて、
目が痛くなってやめた。
今頃は、みんな下の階で、
ほとんど役に立たないであろう
数学とかやっているんだろう。
ちなみに数学なのにXだとかYだとか、まったく意味がわからない。
とりあえずやったら負けかな、と思う。
なんてくだらないんだろう。
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