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「駿ちゃ~ん!大変だよ~っ!!」
「ごふっ!!」
双子の妹――紗姫は、ノックもなしに部屋に飛び込むと同時に、ベッドで眠っていた僕にノータイムで飛びついてきた。
その衝撃で、一瞬で目が覚めてしまう。
GW真っ只中。まだ朝の8時――
特に予定もない僕は、Tシャツにパンツ一枚というだらしない格好で惰眠をむさぼっている最中だった。
「な、何さ?こんな早くから……」
「早くなんかないと思うケド……
あ……あのね、GWもあと2日で終わりなのに、今まで宿題のコト忘れてたの」
僕は頭を掻きながら上半身を起こし、大きな欠伸をする。寝過ぎて強張った身体を鳴らし、紗姫の言葉を反芻した。
「宿題?そんなものあったか?」
「数学と英語の課題、連休とは思えないくらい、いっぱい出されたよ?」
つい3日前――最後に学校に登校した日まで、記憶をさかのぼる。
「……ああ、あれか。そういや、僕もやってないな……」
余裕こいて寝てる場合じゃなかったな。
「む~……あ、そうだ!
駿ちゃんは数学が得意でしょ?
私は英語が得意だし……協力しない?」
断る理由もない。というか寧ろ、こっちからお願いしたいくらいだ。
英語だけは、どうしても苦手なのだ。
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