お風呂とは戦場

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「ただいまー」 「あいむばーっく」 バカげた挨拶で(僕だけ)帰宅を告げてみる。それを聞きつけた母が、居間からひょっこりと顔を出した 「おかえりー。さっき先生から電話があったわよ?2人とも遅刻しちゃったみたいね」 キスマークの件は伏せてくれてるようだ。少しは先生に感謝してやる 「私も昔は遅刻ばっかだったから、別に怒らないけど……ま、いいわ。お風呂沸いてるから、早いとこ入っちゃいなさい」 それだけ伝えると、サッサと居間に引っ込み、ドラマの続きに戻っていった 僕と紗姫は数瞬のアイコンタクトを交わし、着替えを取りに、二階のそれぞれの部屋へと向かった 「あの子たち……いつになったら、一緒にお風呂に入らなくなるのかねぇ……」 晩ご飯の用意された居間に、テレビを観ながら煎餅をかじる二児の母の声が響いた
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