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「じゃあ僕も、タオルは取……らない!!」
紗姫の決心を汲み取り、僕も再び覚悟を決めようとしたが、瞬時に思いとどまる
落ち着け、息子よ
今のお前を見られるわけにはいかない
「ダ~メっ!私がここまでしてるんだから、駿ちゃんもタオルは取らなきゃだよー」
湯船の中に手を突っ込み、僕の下半身に巻かれたタオルを引っ張り上げる
「わー!!わー!!!
女の子が何してるんだよ~?!」
負けじと、必死にタオルを押さえつける
(息子さえ……!
息子さえ鎮まってくれればっ!!)
「隠しちゃダメだよー!」
さらに力を込め、グイグイと引っ張られる
バスタブに張ったお湯が跳ね、物凄いペースで湯船の外へ流れていく
(よし……息子も鎮まってきた)
と、安心しきった僕の視界に――
チラッと
や、ホントにチラッと
うっかり
超至近距離で
紗姫の秘部の映像が飛び込んできた
「――――っ?!」
息子、再び大暴走
僕のはいつから東京タワーになったんだ
突然の出来事に、一瞬、タオルを押さえつけていた手の力が弱まる
「てやぁ!!」
その一瞬で――
(……神は、僕を見捨てなさったか)
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