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出会い
「椿ぃー!!帰ろ、帰ろぉー!!」
寒さのあまり空気が澄んでいて、空が青く青く澄んだ1月のとあるお昼―――。
卒業前で授業も午前中で終わってしまい、これからどうしようかと考えていると有子がやってくる。
「あんた、いつも元気ね……」
玉城 有子(たまき ゆうこ)同じ学年で、というか…この学園に入学してからこのかた、ずぅっと一緒のクラスで静かにすることを知らないのか、毎日元気に絡んでくる。
「あはは~、いやいやそれだけが取り柄ですからって何を言わせるのよ!!、で帰りにご飯食べに行かない?」
「う~ん…」
進学するならするで、午後の時間は勉学に励め、就職する者も同じく励めと基本的に、勉強をするのなら帰宅しても吉というこの状況に3割が学校に残って教師たちが開いている特別講義に参加、また2割が就職の為の指導を受け、残り5割は帰宅して塾やら家庭教師やららしいのだが、その5割のうちの8割が間違いなくさぼっていて自由にやっている。私も残り5割に属しているので、いつも通りイエスと答えたいところだったが、
「いや、残るから先に帰っていて」
それが以外だったのか、有子は目を丸くしながら口をパクパクさせていた。
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