第1小隊

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200X年8月4日午後6時 東京都羽田空港 鈴原たちはタクシー乗り場に立っていた。 鈴原 「……………」 すると突然、背広姿の集団に両腕の自由を奪われてしまった。 鈴原 「お、おい!なんなんだよあんたら!」 田所 「離せこの野郎!」 鈴原と田所は必死にもがくが、腕は振りほどけない。 1人の男が鈴原の前に立った。 男 「鈴原優司元三等陸尉だな?」 鈴原 「だったらなんだっていうんだ!」 男 「そう興奮するな。さあ、来てもらおうか」 鈴原がクラウンの後部座席に押し込められる。 男 「田所毅元2等陸士。君も来るんだ」 鈴原と田所は拉致され、雲野と久保木が残った。 200X年8月4日午後8時 東京都防衛省 鈴原と田所はテーブルが置いてある部屋に連行された。 鈴原 「痛っ!もっとそっとやれ馬鹿野郎!」 2人はイスに座らされ、目の前に書類が置かれた。 鈴原 (衛星写真?) 窓の外を眺めていた男が口を開いた。 男 「それがなんだかわかるか?」 鈴原 「衛星写真だろ」 男 「口の利き方がなってないな」 鈴原 「2年もたっているんだ。変わるに決まってるだろ」 男 「まあいい。本題に入るぞ。北朝鮮に潜入している捜査員から連絡があった。軍事工場では大量に兵器が生産されて、造船所は輸送艦の建造を行なっているらしい」 鈴原 「だから?」 男 「君に小隊長を任せたい」 鈴原 「あのな、オレはもう退官してるんだよ。いまさらオレを引っ張り込まなくたって他にいい指揮官はいるだろ」 男 「君じゃなきゃダメなんだよ」 鈴原は俯いた。 鈴原 「断ったら?」 男 「尻尾を巻いてとっととアメリカに帰るんだな」 鈴原はしばらく黙り込んでいた。 鈴原 「条件が一つある」 男 「なんだ?」 鈴原 「オレのやり方に口だししないでくれ。あと、89式のアクセサリーパーツの用意を頼む」 男 「わかった。じゃあ…」 男はテーブルに2等陸尉の階級章と2等陸曹の階級章を置いた。 男 「明朝0900。習志野駐屯地へ行け。部下を紹介する」
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