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午前11時 第1小隊宿舎
鈴原が宿舎に入ると、全員が一斉に敬礼した。
鈴原
「休め。いい忘れたが、オレの隊では敬礼は省略する」
鈴原は紙を取り出した。
鈴原
「え~、近藤と真島と相沢はオレと一緒に来い」
4人は外に出る。
鈴原
「お前たちに狙撃手をやってほしいんだが、どうだ?やる気はあるか?」
真島
「自分は狙撃手が夢だったので」
近藤
「自分もやります」
鈴原は相沢に視線を移した。
鈴原
「どうだ相沢。やるか?」
相沢
「はい。やります」
鈴原
「よし。じゃあ明日0400時にここに集合だ」
近藤
「持ち物は?」
鈴原
「銃はいらない。装備一式だ」
200X年8月6日午前4時 千葉県船橋市習志野駐屯地第1小隊宿舎前 陸上自衛隊中央即応集団 第1空挺団第1普通科大隊
1台の73式小型トラックが宿舎前に止まった。
車から鈴原が降りて来る。
鈴原
「乗れ」
某演習場
3人を乗せた73式小型トラックが停車し、
鈴原はトランクから対人狙撃銃M24を3丁と的を降ろした。
鈴原
「弾を装填しとけ」
そう言い残し、鈴原は的を手に歩き出した。
かなり距離が離れた場所に的を立て、鈴原が戻って来た。
鈴原
「いいか。今からちょっとした訓練を始める。200m先の静止目標を撃ち抜け。まず最初は……近藤、お前だ」
近藤
「は、はい!」
近藤は伏せ、スコープを覗いた。
鈴原
「目標200m。風なし!」
近藤
「了解!」
鈴原は近藤の横にしゃがみ込み言った。
鈴原
「照準を合わせる事だけに全ての神経を集中させるんだ」
近藤
「はい!」
鈴原は的を双眼鏡で見た。
ドウン!
弾は的のど真ん中に命中した。
鈴原
「よし!合格だ!次!」
3人とも合格し、鈴原はこの3人を狙撃手に鍛え上げる事を決めた。
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