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「おはよう」
「おはよう」
普通の朝の挨拶
だが高宮にとっては特別なものだった
高宮は一週間程前からこの女性、斉木と恋人として付き合っていた
「今日も生徒会?」
「あぁ。先帰っていいよ」
「ううん。私、待ってる」
「何時になるか分からないよ?」
「それでもいい」
斉木はとても物静かな人だった
それは高宮と付き合いだしてからも変わらない
「分かった。なるべく早く終わらせるよ」
「生徒会長がそんな適当でいいの?」
「ちが…俺はちゃんと話し合いを円滑に進めてだな…」
その時、次々と教室に生徒達が駆け込んできた
それと同時にホームルームを告げる鐘が鳴り響いた
「おはよう」
担任の教師が鐘の音が鳴り終わると同時に入ってきた
この加藤という教師は生徒達から嫌われていた
教師としては立派だった
立派過ぎるが故に、生徒達から嫌われてしまう
担当の数学の授業中は少しの私語も許されない
居眠りも当然禁止
時には手をあげたりもする男だった
一部の生徒は学力の向上に一躍かっていると加藤を支持している
しかし加藤にとってこれは後からついてきたものだった
加藤は教師という権力を利用して、ストレスを解消していたのだった
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