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そんな加藤にも天敵と言える人間がいた 「…それではホームルームを終了する。一限目は数学だな。時間になったら席についておけよ」 加藤はそのまま授業に臨めるよう、教材を準備してきていた 「ねぇねぇ、高宮君。ここ教えて」 「待てよ!高宮は俺達が昨日予約してたんだぞ!高宮くぅ~ん、これ解いてぇ~ん」 「レディファーストだ。それにお前のそれは三日前教えただろ。自分でやれ。それと気持ち悪い声をだすな」 高宮の周りには人だかりができている 学年でも上位に入る高宮を頼りにする人間はたくさんいる 生徒会長ということもあり、人望もあった 加藤はその様子を苛立ちながらも羨望の眼差しで見つめる それもそうだろう 数学の教師という立場にありながら、誰も加藤には寄り付かない やがて一限目開始の鐘が鳴る 「根本ぉ!お前は立ってろぉ!」 その瞬間、加藤の怒鳴り声が教室に響き渡る 「…はぁ?何でですか?」 「開始の鐘が鳴ったのに、お前だけ準備が出来てないじゃないか!」 「…今すぐ用意しますよ」 「ふざけるな!俺がいいと言うまで立ってろ!でないと単位はやらんぞ!」 加藤は腹の底では笑っていた 全ての生徒は自分の管理下にある
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