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泪のことを信用していない訳じゃない。
現に腕を絡まれただけで、何もなさそうでしたし‥‥
それに、今日だって特に変わった様子は無かった。
気が付けば、言い訳がましいことばかりを考えている。
目の前にはラブラブの風令と雷。
槐の横には黙々と食事をする泪の姿。
そうだ。
有り得ない。
況して、この泪が浮気だなんて。
天地が引っくり返ろうと有り得ない。
ただ、私が気になるのはあの少女。
妖艶な笑みを残したあの女の子が、脳裏に焼き付いていた。
「エンジュー?どうしたの?」
風令に話し掛けられ、思考をストップさせられる。
「いえ?何でもありませんよ。私は先に部屋に戻りますね。」
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