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太陽の光が陽気に降り注ぎ、鳥達のさえずりが優しく聞こえてくる。
そんな朝の出来事。
カーテンから溢れるわずかな光が差し込む中、私は目を醒ました。
ボヤけた視覚がはっきりとした景色に彩られる。
その景色にはいつもと変わらない自分の部屋とその天井が見えるはずだった、が。
見える筈の天井が見えない。
目の前にいたのは見ず知らずの小太りなおじさんだった。
私の家に知らないおじさんがいる訳もない。
つまり霊体だ。
私と目が合ったおじさんは気味の悪い笑みを浮かべた。
か、顔が近すぎ。
のけぞろうとしたけれど私の身体は動かない。
しかも寝巻きが脱げてるってどういう事だ!?
私の頭は混乱していた。
『君、可愛いねぇ』
おじさんがそう言うと小太りな丸い顔がだんだんと近づいてくる。
咄嗟に私の頭の警鐘が鳴った。
「ギャー!!離れろ変態!!」
私は怒りに任せて怒気をぶつける。
おじさんは怖がって勢い良く逃げ出した。
すると金縛りが解けて身体が自由になる。
私は咄嗟に服を正した。
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