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学校までは徒歩で二十分程かかった。
私の家から学校まではかなり近いのだ。
下駄箱で靴を履き替えて自分の教室へと向かった。
私は学校の教室のドアを勢い良く開けた。
教室の中には既にほとんどの生徒が来ていて、笑い声や怒鳴り声がやけに騒がしい。
私は自分の決められた座席、窓側の一番後ろに座った。
前の座席に座って本を読んでいた少年、煉(れん)が私が来た事に気付いて振り向く。
「よっす。今日は遅いじゃん。」
私は机に学校指定の鞄をそっと置いて、椅子を引いて座った。
「あー、うん寝坊しちゃった。」
霊にいかがわしいことされかけました☆なんて言えるわけない。
「ふぅん、あれ?エロ次郎は?」
私は背後を指差して合図をした。
私の後ろにいた三次郎がスッと前に出る。
「いますよ。その呼び方、いい加減に止めてくださいよ。煉。」
煉はニカッと笑い、ひらひらと手を振る仕草をした。
「あ、いたいた。エロ次郎~お早う。今日もエロってる?」
瞬間、エロ次郎…いや、三次郎は満面の笑みを浮かべた。
だが目だけが笑っていない。
「その口、開けなくしてあげましょうか?」
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