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勿論、彼らは気付いているのだ。
これが仕組まれた軽いサプライズである事を。
そして観客や視聴者もまた、それに気付きつつ、楽しんでいる。
メインのVTRが始まる直前までのプラン、ほぼ全ての「お約束」は無事成功に終わった。
内心の安堵の為か、タレントの何人かの表情が緩む。誰かの指示なのか、その絵は要らないと言わんばかりに、スムーズに、カメラが切り替わる。
例え、その一抹の流れを見てたとしても、大抵の視聴者は気付かなかっただろう。それ程の手際。完璧な判断。プロの仕事。
それもその筈である。この番組。
生なのだ。
つまりいつもの収録どおりの編集は出来ない。
しかしその告知は、出演者、視聴者、どちらにもしていない。
成るべくタレント勢や視聴者らにそれだと気付かせる事なく、最後の最後で種明かし。
そここそが、この番組に隠された、真のクイズであり、製作サイドの仕掛けた挑戦でもあった。
そして、クイズVTRが流れ始めると。
解答を知っているタレントも、そうでないタレントも、食い入る様に手元のモニターを見つめていく。
その様子をカメラが舐めながら、その画に内容のクイズドラマが2重に重なって行き。。。。
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