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「翼。この子が麗君よ」
嬉々としてあたしに微笑むお母さん。
そして目の前の麗サンはあたしに向かって深々と頭を下げた。
なんか、凄いなこの人…目下の人間にもこんな態度で接することができるなんて。どれだけこの人が礼儀正しいかが伺えた。
「さぁ上がって!立ち話もなんだし、疲れたでしょ?上がって頂戴」
お母さんが麗サンの分のスリッパを取り出すと、履くように促す。
麗サンは律儀にお礼を言うと、やっぱり頭を下げた。
それにすっかり気を良くしたお母さんはお茶請けにケーキを出してあげてる。
……ちょっ、ちょっと待ってよ!それあたしがおやつの時間まで楽しみに取っといたやつだよ!?
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