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そして、ニッコリ笑ったまま言ったんだ。
「翼……これから宜しく」
甘い、砂糖菓子の様な声。
だけどその中には苦味もちょっぴり含まれていて。
くどすぎない、甘さが丁度良い。
あたしはドキドキしながら、差し出された麗君の大きくて綺麗な手を、自分の小さな手で握り締めた。
───春
桜舞い散る季節
麗らかな日差しの下
こうしてあたしと麗君の
奇妙な同居生活は始まったのでした。
「宜しくね、麗君」
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