3人が本棚に入れています
本棚に追加
要平と出会ったのは、
六年前の、雪が綺麗な夜だった。
不器用ながらも、精一杯、愛し合った私達……。
一生二人で歩んで行こう。そう誓った。
でも、神は私達を裏切った。
一ヶ月前の今日。私達の、二回目の結婚記念日に…。
飲酒運転のトラックだったらしい。
私は…死んじゃったから…その時の様子はよく知らない…知りたくない。
彼は、全治三か月の重傷を負ったけど、命に関わるモノは無かったらしい。
事故後……彼は毎日此処、私の墓と、あそこ…事故現場に行っている。
…まるで機械のように…毎日、毎日。ただひたすらに。
命に関わるものは無いけれど、決して軽くない怪我なのに…起き上がっては、歩いて…歩き続けて…。
たまらなくなる。
胸が…痛くて…詰まって…泣きそうになる。
「大丈夫だよ。私は元気だから。もう痛くないから…。」
そう伝えられれば…って、いつも考える。
でも……無理。
もう、生きている人と干渉することは『許されない』から。
.
最初のコメントを投稿しよう!