死神の2日

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「新月にも仕事」 死に神は月がいない晩も忙しい。 魂をいれた鎌の杖部分が闇夜に光る。ちょっと耳を澄まして死者の声をたよりに移動する。 呼ぶ声はケモノもいればヒトもいる。憐憫もなくはない死に神とて昔は生きていた者だったから。死に神になった時自分がなんだったかは忘れる。闇夜に包まれた中を死者たちは混乱した声でよぶのだ 「父さん」だったり「母さん」だったり「あなた」だったり「おまえ」だったり。 高いビルの上から声に耳を澄ます死に神の笑顔はあるわけもなく いつから笑うのをしなくなったかなども感じることなく。 今夜もまた新月に死に神が空をかけていく
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