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「あれ?西条就職なの?」
進路希望の用紙を提出してから1週間。
鈴華が進路資料室で資料を眺めていると拓が話しかける。
どうやら自分も資料を借りに来たみたいだ。
「うん。大崎くんは?」
「俺は一応進学かなー?」
そういいながら棚を眺める拓。
「そっか。東京戻るの?」
「それも未定!正直まだ全然考えてない」
「そっか」と鈴華も見ていた資料を棚に戻す。
「てか西条の家って舞妓さんが居るなんとかって奴なんだろ?家継ぐがないの?」
「ほら竹本みたいに!」と付け足す拓。
「いずれ継ぐよ。けどお母さんがとりあえず自分は20年女将続けるからとりあえず就職しなさいって!」
「だからとりあえず就職しようと思って。まだ全然決めてないんだけどね」と苦笑する鈴華。
資料を戻した鈴華の手は其のまま机の上に置いていた鞄を握る。
「じゃぁあたし家の手伝いあるから。また月曜日ね♪」
「おう!頑張れよ!」
拓にお別れを言うと鈴華は資料室を後にした。
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