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約一年を共に過ごしたこの四畳半の狭い部屋とも今日でお別れだ…
荷物が何もない部屋を見て、ここに来た頃の事を少し思い出した。
あの頃はまだ教師になったばかりで自信過剰だった…たくさんやらかした。だが、今となっては良い思い出だ。
時計を見てみると10時を回っていた。もういかないといけないな…
いつもと変わらない風が流れて、いつもと変わらない空があり、そしていつもと変わらない風景がある村を今日、旅立つ。
駅までは校長先生の車で送ってもらう予定だ。
道路には白い軽トラックが止まっていた。荷台にトランクを乗せ、助手席に乗ったときに校長先生が
「…………懐かしい……初めてここに君が来たときもわしの車で送ったとおもうんじゃ…あれからもう1年とは…君も成長したしな…」
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