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「佐倉氏が省長室で殺されていて、急いでびょ、病院に搬送されましたが、すでにお亡くなりになられていたそうで、あの、省長の息子さんに連絡をと思い電話しました。
至急、東陣病院に来て下さい。では」
長い空白の時間。音の無い静かな空間が存在している。
先ほどの電話はまるで夢のなかの出来事だといわんばかりの静寂がそこにはあった。
俺の頭は事実を拒否している。
思考は働かず、周りの音も頭に入ってこない。
それからしばらくして頭に浮かんだのは、今さらどうでもいい電話の相手の名前だった。
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