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響き渡る銃声。
この国――日本では、本来禁止されている凶器の音が当たり前のように街中の高いビルの一室で響き渡った。
赤く染まる床。二つの遺体(からだ)から水のように流れる血。
その様子は既に常識を逸していたが、今この場で銃を持って笑っている男の姿が何よりも現実離れをしていた。
二つの遺体が冷たくなっていくのに比例して笑い声は高らかに室内を満たす。
そして男は笑う事に飽きたのか、目的の物を探し始めた。
先ほどの銃声でもう動くことのなくなった男を探し尽くしたがそれは見つからない。
ふと思いついて、男の上にまるで守るかのように覆い被さっている血塗れの女に目をつけた。
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