第一章

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その昔、天使は確かに地上に住んでいた。 地に住む人々に幸(さち)と富(とみ)を与え、望みを叶えていた。 「───え~、従って、天使の力を欲しがった者、またその力を悪用しようとした者達との戦いの末、天使は天に還ったと言われています」 「センセ~、天使の中には悪いコト考えるヤツとか居なかったンですか~?」 「ぶはっ。なんだよ、お前天使信じてんの?」 「ンなワケないだろ」 教室が一斉に湧いた。 天使は本当に居たのか──。 『いた』とされる時代からすでに一千年以上…もうこの世界に天使がいたと信じる者はあまり居ない。天使も神も、彼らにとっては造り話でしかないのだ。
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