第一章

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「じゃ~な」 「また明日な」 口々に挨拶を交わしながら同級生たちが帰ってゆく中で、少年に話しかける者は誰も居なかった。 数ヶ月前、不良グループのリーダーの彼女が少年を好きだと言ったことが原因らしかった。以来同級生達はおろか、誰も少年に話しかけはしない。しかし彼女と言っても恐らく半ば脅して付き合っているようなものだった。それは誰しも判っていた。なぜ俺だったのか…少年は解らないなりに悩んだこともあったが答えは出ず。結果としてそのことで彼女は解放され、その代償(かわり)に少年がイジメられる羽目になったことだけが判っていた。
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