涙の出ない泣き方

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泣きたいときは 泣けばいいって ずっと思っていた 涙の出ない想いほど しんどい感情 知らなかった 何があったのかもわからないまま 何かが起きたのも気付かぬまま 頭と心が悲鳴をあげる 不協和音は鳴り止まない 窓の外には赤い月 闇を不安な色に染めている 月の魔力に狂わされたのか 叫びは喉を超えられず 泣けない悲しさがあることを 初めて知った今夜は 膝を抱えて タバコふかして 夜を見つめる 赤い月を睨みながら
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