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いつもより激しく雨の降る朝。
いつものように寝坊して、左手に鞄と体操服を入れた袋を持ち、右手で傘を持ち、口には少し焦げたパンをくわえてバタバタと学校へ向かう。
「鬱陶しいなぁもぅ」
呟きながら最後の坂を駈け上がる。
チャイムが鳴り終わるギリギリに席に着いた私に、隣りの席の典子は拍手していた。
「相変わらず見事だねぇ、そのギリギリ行動、私にも教えて欲しいわ」
「どうもありがとう」
けなしているのかなんて考えもせず、笑顔で答える私に、更に笑顔を向ける。
成績優秀、スポーツ万能、スタイル、顔共に良しと言われている私。
――――確かにそうなのかもしれない。
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