其ノ壱

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翌日の晩。 鈴村は男の言っだ蘭華゙へ足を運んだ。 「お侍様ぁ!ちょっと寄っててぇ!」 「若旦那若旦那!お安くしておきますよぉ!いかがです!?」 誘惑的な女が誘うように手招く中を、鈴村はようやぐ蘭華゙へたどり着いた。 中へ入ると、白塗りの化粧をした女が迎え出てくる。 「いらっしゃいませ、若旦那様」 丁寧にお辞儀をすると、女の髪に飾られた簪が揺れた。 「男を探している」 そう言うと、女は 「そうですか」 と微笑んだ。 「名前はわからんのだが…空の色をした目の、」 そう言うと、女は頷いた。 どうやら本当にここにいるらしい。 「胡蝶蘭ですね。おまえ、こちらの方を胡蝶蘭の部屋へお通しして」 そばにいた少し幼さの残る少女を手招くと、少女は頷き、「どうぞ」と奥へ案内する。 鈴村は少し戸惑い履き物を脱いだ。 「……。初めてでいらっしゃいますか?」 少し歩いてから少女は訊ねてきた。
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