第4章「やきもち」

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「うっとい」 声が聞こえて 顔を上げた。 ヤツが面倒臭そうに立っていた。 『なんッ…よ!あんッ…たに、ひッ…く…。 迷惑…かけてな…ッいやんかッ!!』 泣き過ぎて 上手く喋れない。 息もしずらくて なんだか、もうこのまま息が止まってしねばいいのに… とか…くだらん思いまで込みあげてきて 「泣くなや」 柚に抱き締められて 嫌だけど 誰かに支えて貰わないと もう立っていられなかった。 すがって泣いてるみたいで 格好悪いけど。 何も言わないでいてくれた。 雨が降りだして 涙で顔はぐちゃぐちゃ。 制服だってびしょびしょやし… でも、それでも ずっと側に居てくれた。 いっぱい泣いたら 楽になった。 『ありがとう』 柚「……帰るで。」 『うん…。』 教室に戻るのは 気が重すぎた。 1週間前までは こいつが居たから 教室に居たくなかった。 今は…?
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