*羽根*

2/2
前へ
/13ページ
次へ
   暗い水面に舞い踊るように  降りて来た一枚の羽根  ゆらりゆらりと揺れて  静かに水面に舞い落ちる  水面には幾つかの波紋が  外へ外へと広がっていく    そこへ一筋の透き通った光  羽根を照らす為に降りた  この暗い世界には眩い光    手を伸ばしても届かぬ光  触れたくても触れられない    …まるで心の中…    光へ出たくても出れない  一度闇に染まった心は  光へ戻る事を許されない    光が消えぬよう願っても  どんなに足掻こうとも    羽根に宛られた光は  次第に消え  …また…  漆黒の闇へと化する  
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加