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自分の感情に答えを出さないまま6月になり、自分の進路について考えなければならない時期になっていた。
「志望校を決めてないヤツは、早く決めとけよー?」
担任の声を聞きながら、うちはぼんやり考えていた。
進路かぁ……。
高校どこにしようかなぁ?
ん~……わからん。
早よ決めないと。
休み時間。
うちはいつものように、萩野と話していた。
「萩野は志望校決めた?」
「いや~あんまり。公立行くか、私立行くかも決めとらん。上野は?」
「うちもー。まさか、高校まで萩野と一緒じゃないよなぁ~?」
「………上野」
萩野の神妙な面持ちに、思わずうちは、真剣な顔をして聞いた。
「……何よ?」
「そんなに私の事が好きか!?知らなかったよ!今まで気付かなくて、ごめんねッ!?」
「……………萩野」
「何?」
「…………死ね!!」
「ヒドいわッ!お母さんはそんな娘に育てた覚えは無くてよ!!」
「アンタに育てられた覚えもねぇよ」
「まぁ!そんな事言うと、今夜お父さまに叱って頂きますわよ!?」
「お父さまって誰だぁ!?てか、その口調ウザイからやめて!」
「いいじゃあん、私とアンタの仲じゃない」
「どーいう仲だ!」
「………そんな!あの夜の事を無かった事にする気!?」
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