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「他に生きがい見つけなよ」
「ん~……しばらくは、このままで」
りえちゃんは苦笑いしながら、うちの言葉を聞いていた。
その時、萩野の声が聞こえてきた。
「う~え~のぉ~!!どこ行きやがったあんちきしょお!!」
「うわっ、来た!!」
近づく足音と、怒声にうちは焦ってしまう。
すると、りえちゃんがうちの腕を掴んだ。
「こっち!」
そう言って、屋上に繋がる踊り場に連れて行ってくれた。
萩野の足音がどんどん遠のいて行く。
……しかし、うちは身動きが取れなかった。
りえちゃんがうちを抱き締めていたから。
「ごめんっ、ちょっとだけガマンして」
小声で言われて、うちは萩野が居なくなるまで素直にりえちゃんの腕に収まった。
あったかいなぁ……。
何時までも、こうやってたい…。
「……やよいちゃん?ゆうちゃんもう、行ったよ?」
りえちゃんの言葉にうちは、ハッと意識が戻る。
「あ…ありがとー、りえちゃん」
「いえいえ。……やよいちゃん、ホント綺麗な目してるね」
「え゛!?いきなり何?」
「昔から思ってたけどさぁ~やよいちゃんの目って、スッゴい透き通ってるよね~」
「まぁね!家系は純日本人だけど」
「髪も茶色いし…ホント綺麗な目してる」
「…ぁ…ありがと」
………何か照れる。
あんまり自分の顔の部分とか誉められないよなぁ~…。
目だけは、昔からよく誉めて貰ったけど……。
りえちゃんに言われると格別に嬉しい…。
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