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「なら、良いけど。一体何しに来たん?」
イイ笑顔を真顔に戻して、うちは萩野に質問した。
萩野はまだ少し怯えながらも、しっかり答えた。
「はっ!もうすぐ部活なので、誘いに来ました!」
「ゆうちゃん……何も敬礼しながら答えんでも……」
「あ~そっか。部活ね~はいはい」
「行くだろ?」
「行かねぇよ」
うちが即答すると、萩野が目を見開いて言った。
「はぁ!?なんで!?」
「先約があるから。先生には、外でスケッチしてますとでも言っといて」
「え~何でだよ。……………まさか!アンタ男と密会する気!?」
「萩野、お前かなりのアホやな」
何をどう勘違いしたら、そうなるんだか。
まぁ……男という事は当たってるけど。
「りえちゃん、行こう」
「あっ、うん!」
うちは、とっさに萩野を呼び止めた。
「あっ、萩野」
「なんだ?」
「さっきは、八つ当たりしてごめんね」
そう耳元で言うと、萩野は固まっていた。
「……何か言ってよ」
「あっ!……うん、全然いいよ」
「そっか。じゃね~」
「おぅ」
「待たせてごめん。行こっか」
萩野と別れて、うちとりえちゃんは靴箱に行こうとした。
しかし、りえちゃんはうちを呼び止めた。
「やよいちゃん」
「ん、何?」
「さっきゆうちゃんに何て言ってたの?」
「あ~……さっきの事謝ってた」
「やよいちゃん、そういうとこちゃんとするから偉いよね」
「……そう?やっぱ自分が悪いと思ったら、謝んなきゃ」
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