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「ふぅ……」
うちは、廊下でボーっと空を眺めていた。
いい天気だなぁ……。
「ふぁ……」
あくびをしながら、うちは髪を結っていた。
ゴムを取って、櫛で髪を梳いてから髪を結う。
「あれ……上手くいかないなっ…」
なかなかゴムが結べなくて、イライラしているとりえちゃんが着替えを終わらせて戻ってきた。
「どーしたの?」
「髪が上手く結えなくてさ~」
「やよいちゃんは不器用だからね~。ほら、やったげる」
「……ん」
櫛とゴムを手渡して、うちはりえちゃんに髪を結って貰った。
「やよいちゃん髪伸びたね~」
「そうかな?」
「うん、女の子らしくなった」
「……髪切ろっかなぁ」
「なんで!?」
「髪が何かうざったい」
「もったいなーい。もっと伸ばそうよ~」
「……りえちゃんがそう言うんなら、伸ばす」
「えっ……」
「りえちゃんに髪結って貰うの、好きだから」
「も~やよいちゃんマジ可愛い!」
そう言って、りえちゃんはうちを後ろから抱き締めた。
「うわっ!」
「そんな可愛い事ばっか言ってると、彼氏出来たら一気に食べられちゃうよ~?」
「うちなんかと付き合う物好きな人なんていないよ!」
「え~そうかなぁ?私が男だったら、絶対やよいちゃんと付き合うよ?」
男だったら…かぁ。
何気ない一言の筈なのに、妙にその一言が引っかかった。
「でも、りえちゃんが男だったらうちは、今みたいに仲良く出来ないかもよ?」
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