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……傷が疼く。
うちは手首をギュッと握った。
このまま、うちはりえちゃんと一緒に居ていいのかな?
今は一緒でも、中学を卒業すればお互いに別々の道を歩む。
いずれは、連絡も取らなくなるんだろうな……。
それなら、今から徐々に距離を置くべき時期なのか?
どうせこの想いは、実る事は無い。
バレたら友情も壊れる。
………なら、やっぱり距離を置こう。
これ以上近くに居たら、気持ちがどんどん膨らんで抑えが効かなくなる。
教室を出ようとした時、3人で仲良さげに歩いているのを見た瞬間、うちは決意したんだ。
りえちゃんがうちに気付く。
「やよいちゃーん!」
うちはその声を無視して横を通り過ぎていった。
りえちゃんは追いかけて来ない。
声も掛けない。
………それで良い。
それで良いんだ。
正直にさらけ出しても、嫌われるのなら………今から嫌われてやる。
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