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祈りの声が軋む世界を潤して
双頭の蛇は希望と絶望をばらばらに望む
深紅の薔薇は憎しみの証
流れた朱を湛える器
赤黒斑の道化師は終焉への案内人
空を染めるは悲しみの蒼
戯曲は崩壊を静かに人々に告げて
気付くのは萌える木々枯れる時か
凪いだ風に血の香は籠もり
最悪と最弱は嗤いに堕ちる
闇に誘う明かり
明かりに誘う闇
矛盾は誰に悟られる事なく続く
贖罪は許されず神は民を惑わす
鬼さえも崇め奉られる
戦神は嘆きに伏せる
誰も彼もが偽りを歌う
世界は殺戮に覆われる
静謐を湛える深遠だけが
最後まで我々の家賊
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