8人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
乾坤一擲
[けんこんいってき]
乾坤ってなぁ「天地」って意味ですさぁ。
一擲ってなぁ「ワンチャンスのダイスを振る」ってことですかね。
つまり「天地を賭けて博打をする」ってことですね。
男なら「一か八か」「伸るか反るか」って、よく言って賭けることがあります。
男ってなぁ、生来博打好きなんでしょうなぁ。
韓愈って唐代(中唐)を代表する文人の士大夫が作った詩に「過鴻江」(鴻江を過ぎる)というのがありまして、それに出てくる一節でさぁ。
何でも、項羽と劉邦の戦いをう詠った詩らしいって聞いてまさぁ。
過鴻江
竜疲虎困割川原
億万蒼生性命存
誰勧君王回馬首
真成一擲賭乾坤
【訳】
長い期間、漢楚は天下の覇権を争って、劉邦も項羽も疲れてしまった。
鴻江を境にして天下を二分することを取り決め、億万の民の生命は保たれるはずだった。
いったい誰が、劉邦に勧めて馬首を返させ項羽を追撃させたのか。
劉邦は天地を賭けた、たった一度のダイスを振るような賭けをしたのだ。
…
女性の場合は「結婚一擲」ってとこですかね?
最初のコメントを投稿しよう!