序章

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「……恐れながら申し上げます。 今、上様が亡き者になりて喜ぶ者は数多くおりましょう。 甲斐の武田、越後の上杉、さらには中国の毛利等も上様の死を望んでおりまする。」 光秀が襟を正し、申しておる。 ……相変わらず冷静な男だ。 「そうだな。しかし、その者達より我が死によって利を得る者がおる。 まずはお前達、織田家の重臣だ。 お主等は我が家臣ではあるが兵力や財力に於いては大名に匹敵する物がある。しかしながら我が家臣である以上、天下を望むなら俺が邪魔になるはず。 そして1番、利を得るのは………三河の家康だっ!」
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