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(………私はつくづく人を信じる事が出来ない男だな。)
正信は自らの考え方を自嘲気味に笑った。
正信にとっては、自らの家臣や徳川家重臣、ましてや家族でさえも疑う対象であった。
人を欺き、騙す事で徳川家を支えてきた男の悲しい性(サガ)と言えよう。
「………琉斗。
お主の話良くわかった。
しかし、事は我が徳川家の命運を担う大事だ。
私の一存では決められぬ故、返事は追ってしたいと思う。」
正信は琉斗に告げると足早に部屋を出ていった。
琉斗は一先ず第一関門は突破した事に胸を撫で下ろした。
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