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「…はっはっは!
全く正信は心配性だな。
心配は不要であろう。
織田の頭脳と言っても過言では無い光秀殿と徳川の頭脳であるお主が考えた案だ。
これで我が息子と妻の無念を晴らす事が出来よう。」
家康は珍しく陽気であった。
普段なら慎重に慎重を重ね、策を練る家康が珍しく大した質疑も無く決定した事も考えられない事だった。
(………珍しく家康様は陽気だな。
普段ならここから半刻程の軍義もあるのだが………。)
「……はっ!では私は準備がありますので失礼いたします」
正信は頭に嫌な予感が過っていた。
それを振り払うように頭は数度左右に振ると家康に礼をし、部屋を後にした。
(………杞憂であれば良いのだが。)
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