66人が本棚に入れています
本棚に追加
「四瞬――【蜂蜜喰熊(はちみつくうくま)】!!」
音姉姉さんは思う存分肉体を見せ付けた後、マントを捨てて前転のように半回転し――飛び出た鉛筆を押し込むのか!?
この人は――空中で鉛筆に――踵落としを――決めようと――して――いるの――――か!?
その肉体風の如し!
その宙返り林の如し!
その踵落とし火の如し!
その……一連の流れが山の如し!
音姉守さんの踵が鉛筆に触れる。しかし! 鉛筆削りの落ちるスピードは速くならない!
音姉守さんは、打ち付けているのではない!
押さえて、いかに綺麗に仕上がるか調整しているのだっ!!
何故か踵落としでっ!!!
『蜂蜜喰熊』
《プー〇ん》
「ウオオオオオオオッ!」
こっ、これは獅子笶の声! まだ居たの?
「せいっ! せいっや!」
ちっこい鉛筆削りを、しきり回す獅子笶。息遣いが荒い。あんま近寄りたくはない。近寄りたいとはあんま思わない。
「オオオオ! 俺の削りは、名前のように、“獅子の笑い声”のような音が出るんだぜえぇぇ!!」
獅子笶! 笶と笑の違いに気付け!
――だが、勘違いしてるとこがまた良いっ! アホッ!
最初のコメントを投稿しよう!