魅せられたKEZURI

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「侍先輩は副部長だ。ちなみに、俺は二年。あの人に勝てるのは……この学校で二人だな」  稟とした顔で言う音姉守さん。未だ半裸なのは気にしない。たまに自分の胸筋を撫でて微笑んでるのには惚れる。  獅子笶の影が透明なのは気にしない。 「二人ですか」 「ああ、一人は部長で、もう一人は二年の奴だ。あと、侍先輩の二つ名は【切り屑嫌いの侍】。部長の二つ名は【全能なる削り人】。そして二年の……お、来たようだぜ」  音姉守さんは、くいっとドアを指差す。  この部屋に入る前に俺達を察した音姉守さんだ。その超能力が感じたということは――  二年でありながらも、あの侍の上をゆく男が現れるということか。  丁度、今放課後に入った。つまり、これからどんどん強者が出てくるのだろう。  くぃぃぃ、とドアが鳴く。逆光ぎみに、男は太陽を浴びながら入ってきた。 「こんにちは」 「やあ、本気姫 可愛(マジヒメ カワイ)ちゃん」 「音姉守くん、私のことは二つ名を取って『ブイちゃん』って呼んで下さいよ」 「ああ、そうだったねブイちゃん。じゃあ、そこの一年に挨拶しといてよ」 「ん? おぉ、新部員来てくれたんだ! よろしく。【戦場のブイナス】こと本気姫です」  現れたのは、オレンジ色のツインテールをぴょこぴょこと揺らす、可愛らしい女の子だった。  ……この人が?
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