魅せられたKEZURI

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「本気姫さんは何で闘……」 「ブイちゃん、もしくはブイさん。そう呼んじゃいなさいな、新部員くん。あ、君の名前は?」  爽やかな笑顔で言われた。  吐血。  さておき、名前を伝える時がきたようだ。音姉守さんには言えなかったから、結構張り切って…… 「彼の名前は金――」 「音姉守さん!? 何“同級生に一年の名前を普通に言おうとしている”んですか! あんたは鬼かっ!」  おおっと、つい叫んでしまった。さて、なぜか驚き顔の音姉守さんは置いといて。  深く息を吸い込み、言い放つ。 「月・火・水・金堂じょ、あっ間違え……」 「こいつは金堂成だ」  あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……!! 「こいつはアホだ」 「違いますよ! 変なこと言わないでください! 全く」 「こいつは変態だ」 「うひひひひ」  ウヒヒヒヒ。  勘違いするな。俺は変態という言葉が好きなんじゃない。罵られるのが好きなんだ。  そろそろ危なくなってきたので、俺は「それはともかく」と切り返す。 「ブイさんの武器って何ですか?」 「私の武器? それはね……」 「――ブイちゃん、それはお楽しみにしとこうか」  音姉守さんが会話を遮った。そして、含みを持たせた口調で続ける。 「北西高校が――決闘を申し込みにきたぜ」  音姉守さんはドアを睨んだ。しかし、口元には笑みを浮かべている。  ドア越しに、他校の鉛筆削り部が居るということか? 「北西高校は【分かれ身のブラジリアン】がいる。かなりの強豪だが、ブイちゃんの力を見せるには丁度良いだろう」
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