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『避難訓練で校庭に集まらなかったから』という不可解な理由で怒られた俺達は、怒られている途中に〔何で俺は怒られている? しまった! 人生の時間が少なくなっていく! 無駄だこんなもん! エキゾチックな恋がしたい!〕と思って逃げ出した。
そして屋上。
「……鉛筆削り部? それにお前は、入部してんのか?」
「ああ。通称“削り部”だ」
カッコ悪っ。
俺は獅子笶に引いた。コイツ気持ち悪っと心底思った。
「でも、アンタも一年だろ? 入ってないのに何でそんなに……」
「削るのが上手いのか、か? フッ、俺は中学からやってたからな」
中学でそんな部活があったのか。畜生! うやまら……うらまや……、羨まちいぜ!
「だが、始めたのは七歳だ。個人種目日本二位の父に教わった」
親父が!? うやまら……恨めちぃい!
つーか団体種目もあるってことか!?
「……ごふぇ、ふっ」
危ない危ない。口から血が出そうに――
「ベジタヴル!」
出ちゃった。
「父は凄い男だった。ケズリストの目標だったぜ」
「ケズリスト!?」
素敵過ぎる!
「ペンケズラーには《横隔膜ショックマン》と呼ばれていた」
「しゃっくりが特徴的だったの!?」
「仲間からは《シャックマン》と呼ばれていた」
「虐めじゃねーか!」
「日本三位の奴は《シャックキング》と呼ばれていた」
「ごふぁっ!」
闘いが熱過ぎる! でもお前の父さん名前負けしてんじゃねえかよ!
「日本一位は《時雨時の暗殺者》と呼ばれていた」
「ところで部室はどこにあるんだ?」
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