鉛筆削り部 ～ケズリストは愛を愛する～

魅せられたＫＥＺＵＲＩ

「「おらおらこらそらぼらぼらぼら！」」

　何ィッッッ！！
　二人の声が――
　二人の息が――
　二人の情熱やら何やら、あとスゴいものが――

　完璧に合わさっている！

　だが、鉛筆には手を付けていない……！？　儀式的な？　『今からやっちゃいますよ』的なぁぁ！？

「おがさわらッ！」

　吐血。

「ウオオオぐふっ、ごほ、ごほ、オオオオ！！」

　最初に鉛筆に手を付けたのは……音姉守さんだ！　むせたけど！

「喰らえ、必殺！」

　普通の鉛筆削りに普通の鉛筆を普通にはめた癖に『必殺！』とかほざいている音姉守さん！　かっけぇ！！

「一瞬――【屠竜之技（とりゅうのぎ）】！！」

　音姉守さんは、クルクル回す所を持って上に掲げ、鉛筆の飛び出た所を天に向けた。

　ま、まさか、まーＳＡーか！

「ウオオオぐふっ、ごほっ。オオオオ！」

　むせてるぅぅぅ！！
　じゃなくて、回してルールールー！！

　因みに『屠竜之技』というのは、《一見素晴らしく思えても、実際は全くと言っていい程役に立たないこと》。