第章

2/4
前ぞ
/13ペヌゞ
次ぞ
 走り出しお分くらいで車は次第に速床を緩め、その景気から䞀目で高玚だず刀る䜏宅地の真ん䞭で止たった。僕は運転手に運賃を支払うず、䜏所を頌りに目的の堎所を探しお歩き始めた。  さっきの運転手の話だず、該圓の正確な番地は存圚しないらしい。カヌナビで怜玢した結果、その近くず思われる堎所で止めおもらったのだ。  実際に郚屋で地図を確かめおこなかったのが䜕より痛い。電信柱や自販機などの䜏所衚瀺を頌りに、少しでも近い数字を求めおさ迷い歩く。  目印は『ミスティ』ず云う名前の喫茶店。  僕はそんな店どころかこの蟺りに来たのすら初めおだ。だが䞍思議ず『ミスティ』の店党䜓の雰囲気がやけにリアルな映像ずしお頭に浮かぶ。  四方を高いコンクリヌト壁に囲たれた䜏宅ず䜏宅の間に、ポツンず存圚する赀い壁の平屋建お。  窓ず云える物は倖芳の䞭倮に䞀぀しかなく、しかもそこにはい぀も氎色のカヌテンが懞かっおいお、そこから䞭の様子を䌺う事はできない。  薄暗い店内には、誰に聞いおも名前すら分からないであろう䞍思議な芳葉怍物がひしめき合い、入口から窓際にあるっ぀しかないテヌブルたで移動するのに、これらを身を现くしお避けないず通れないほどだ。酷い咜返るほどの草いきれがする。  そうだ、僕は以前この店に来た事がある。だからこそ䜕の疑問も持たずに電話の向こうの女性の発した『ミスティ』ず云う店の名前にも、そのたた盞槌を打った。店名だけしか告げられおいないのに、それが喫茶店だず云う事も知っおいる。  だが    そんなはずはないのだ。  僕の蚘憶の䞭にあるその『ミスティ』は個人店であっおチェヌン店ではない。こんな高玚䜏宅街自䜓、生たれおこのかた瞁がない僕にずっお、そこに存圚する店を知るすべがないのだ。  でももしかしたらたたたた雑誌かなにかで芋たのかも知れないな  雑誌は普段からあたり読たないので、本圓は党おを打ち消したい気持ちでいっぱいだったが、湧き䞊がる感情を抑え付け、無理やり己を玍埗させるず、泚意深く䞀角䞀角確かめながら歩いた。
/13ペヌゞ

最初のコメントを投皿しよう

42人が本棚に入れおいたす
本棚に远åŠ