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在る雨の日に、彼女がお見舞いに訪れ再会を果たしたが、医者には、後数週間の命と宣告されていた。
彼は突然の悲劇の涙雨にさらされた。
在る女優が映画の中の名台詞のように、
『虹を見たかったら、雨を我慢しないとね』
現実や夢の中の出来事が、走馬燈となり、
薄れゆく意識の中、彼の脳裏には彼女と手を引き砂浜を歩きだし
海辺の烏帽子岩に虹が架かっていて、
砂浜に映し出した夕日の影は二人の洒落合う姿を夢が鮮やかに思い出となりエンドロールを見せていた。
彼等は、朝を迎え、潮が満ちた先にある小島に浮かびでた鐘を見つけ、
今まで訪れた恋人達のように鐘を鳴らし
二人で愛を囁きあい、誰かに見守られるでもなく、
二人で囁かな結婚式を開き、
二人は永遠に結ばれ、彼は二度と目を覚まさず、彼女のことを脳裏に焼き付けて息をひきとった。
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