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………
あれ?
なんだか……静か過ぎないか?
俺は学校が近付くにつれ、周囲の異変に気が付いた………
車が一台も通らない。
近所のおばちゃんたちの井戸端会議も聞こえない………
スズメもなにもいない……
まるで俺だけが存在しているかのように………
『……そんなわけ無いよな………』
焦りながらも学校へ向かう
校門の前に着いた時俺は目を疑った……
人が……倒れてる……
それもたくさんの………
恐る恐る近付き体を揺さぶる
『…おい、どうし………っ!!!?ぅわぁぁぁあぁああ゛ぁぁぁぁぁぁ!!!』
揺さぶった途端その体から血が飛び散った……
まるで今止まっていた時が動きだしたかのように
それが合図だったかのように学校が、町中が血の海になっていく……
『……あ…ぅ……あぁ………』
震え、腰が抜け、涙が止まらず言葉も出ない……
ただただ今まで人だった者がただの肉塊となし、ゴボッと崩れ去る光景と死体が腐っていく異様な臭いに包まれて行くのを見ているしかできなかった………
『………ヤァ、気分ハドゥダイ?』
奴が俺の前に現われた……
奴は………全身に血を浴びていた
『君ノ望ミハ叶ッタ………君ノ嫌イナ皆ハ消エタヨ?』
もぅ………何も考えられない………考えたくない………
俺は………俺は………どん底へと落ちて行く……
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